根管治療(自費)
「マイクロエンド治療」という言葉を
聞いたことはありますか?
マイクロエンド治療は、むし歯が神経にまで達してしまった場合や歯の根に病変ができた際に行う根管治療の一種です。
初期のむし歯であればフッ素塗布や歯磨きで進行を防ぐことも可能ですが、むし歯が歯髄に到達し、根管まで影響している場合は根管治療が必要になります。
根管治療には、生きている状態の歯の神経をとって根の治療を行う「抜髄」や、死んでいる歯の神経をとって根の治療を行う「感染根管治療」があります。
このような治療を行う際に、マイクロスコープを活用して精密に行われる「マイクロエンド治療」が効果的です。
マイクロエンドの特徴やメリット
マイクロエンド治療とは、根管内の病変や感染源を除去し、根管を完全に消毒・封鎖する精密な治療
です。
歯の構造はとても繊細で複雑であるため0.1mm単位での非常に精密な処置が必要になりますが、マイクロスコープを用いることで肉眼では見えない細部まで確認しながら、正確に根管内を処置できます。 |
このような症状がある方はマイクロエンド治療が適応されるかもしれません
- むし歯が深く進行し、痛みを感じるようになった
- 歯の神経が死んでしまった、あるいは感染している
- 歯の根に病変がある
マイクロエンド治療を行うことで、以下のようなメリットがあります
高い精度で感染リスクを低減
マイクロスコープは約20倍の拡大視野が可能です。
根管の隅々まで確認しながら治療を進めるため、感染した神経や汚れを効果的に除去できます。
再発率が低く、歯の保存性が高い
通常の根管治療に比べて再発のリスクが低減され、長期的に歯を健康な状態で維持できる可能性が高まります。
治療期間が短縮
より精度の高い治療が可能なため、治療回数が減り、患者さんの通院負担も軽減されます。
治療の流れや工程
マイクロエンド治療は、以下のような手順で行われます。
1.診断と計画立案
レントゲン撮影や歯科用CTなどを使って検査を行い、病変の位置や症状がどの程度進行しているかを確認します。
2.局所麻酔
局所麻酔で痛みを軽減します。
3.根管の形成・洗浄・消毒
顕微鏡を使いながら精密に根管内部を清掃し、細菌や感染源を完全に除去します。
4.充填と密封
消毒後は根管内に充填材を隙間なく詰めて密閉し、細菌が再侵入するのを防ぎます。
5.被せ物を装着
充填後の経過が確認できたら最終的に被せ物を装着し、歯の機能と見た目を回復させます。
料金やその他の注意点
マイクロエンド治療は保険が適用されません。
当院では1根管あたり30,000円(税別)程度の費用がかかります。
また、高度な技術を必要とするため、経験豊富な歯科医師による治療が望まれます。マイクロエンド治療を受ける場合は、信頼できる歯科医師を選ぶことが重要です。
また、治療後も定期的なチェックが必要です。根管内に再度感染が起こるのを防ぐためにも治療後は予防的なメンテナンスを行い、歯周病や新たなむし歯が発生しないよう注意しましょう。
保険治療との違い
保険での根管治療とマイクロエンド治療では、視野の範囲や使用器具などに大きな違いがあります。
視野の範囲
歯の内部、特に根管は非常に小さく複雑であり、裸眼では詳細な観察が難しい部分です。 |
これに対し、マイクロエンド治療では再発率を約20%以下に抑えることが可能です。根管内が拡大された状態で治療を進めるため、治療精度が格段に向上します。
また、治療の際に歯の内部を明るい光で照らすため、根管の複雑な構造も見落とすことなく確認でき、徹底した治療を短期間で行うことができます。
使用器具
保険での根管治療とマイクロエンド治療では、使用する器具も異なります。 |
また、根管治療では細い針状の器具を用いて根管内の清掃を行いますが、この器具も保険治療のものとは異なります。一般的な保険治療で使用するステンレス製の器具は硬いため、曲がった根管の奥まで到達しにくいというデメリットがあります。
一方、マイクロエンド治療の場合は弾性が高くしなやかなニッケルチタン製の器具を使用するため、複雑な形態をしている根管にもしっかりと器具が奥まで入り、精密な治療が可能となります。
さらに、この器具自体も患者さんごとに毎回新しいものを使用し、器具の破折や感染を防止しています。
マイクロエンド治療は当院にお任せください
マイクロエンド治療は、ご自身の歯を残すために非常に重要な治療であり、その後の歯の寿命を決めるといっても過言ではありません。マイクロエンド治療であれば保険での根管治療と比べて精密な治療が可能であり、治療の成功率が高く、再発リスクも低く抑えられます。 |
治療の成功率が高まることで、歯の寿命も延ばせるため、生涯にわたり歯とお口の健康を守っていくことにつながるでしょう。
「根の中が化膿してもう治らない」「根の状態が良くないのでもう歯を抜くしかない」と言われて諦めてしまってた方も、抜歯に踏み切る前にぜひ一度当院にご相談ください。